版画家
白鴎大学 准教授

齋藤 千明SAITO, Chiaki

風月の芸術祭in白河 書/千葉 清藍

コロナ対策について

版画家
白鴎大学 准教授

齋藤 千明SAITO, Chiaki

近年の制作について

視覚情報だけでは捕捉不能だが、確かにそこに存在するモノを探り出し、それに内在する記憶を五感で捉えて形にしたい。これが制作意図の核であります。
「版表現と身体性」をテーマに表出される作品の形態は平面作品から立体、インスタレーションと様々ですが、主に日本の伝統的な素材と木版画技法を表現手段のベースとし、表層に現れる現象のみでなく対象とどのように関わったか、その過程の形態化をも試みております。

2008年から現在まで続くシリーズ「空蝉のかたち」は、ヒトがいかにもそうであるかのように「よそおう」行為をテーマに伝統的な「紙衣(かみこ)」の技法を用いて自身の服を作り、刺繍や編み物など古くから女性の象徴的な手仕事とされてきた意匠を重ねあわせることにより、心的・主観的形象を微視的に再現した作品です。
作品との偏狭的とも言える関わり方から視点を移行させ展開していくきっかけとなったのが2015年に行ったロサンゼルスでの作品発表であり、初めて訪れたかの地の場景を俯瞰的に眺めていた自分を「雲間から垣間見る」日本美術の伝統的な引き視点を用いて可視化するインスタレーションでした。

現在は、一つの題材に対する関わり方と視点を意図的に変えたものを同一展示空間に投入・構成する異時同図的な表現手法を用いています。
違う環境に身を置き、見て感じたモノをまずは傍観し大局的に判断し、それを自身の領域に持ち帰った時に明確化する感覚的相違を形に表します。
そのためにはフィールドを移動して制作し、それを自分の生活圏内で発表するというプロセスが必要になります。
「他国者」として提示した海外活動と、それを持ち帰りアウトプットする展示を通して鑑賞者との(いわゆるSNS的コミュニケーション形態とは真逆の)プリミティブなつながりが醸成されれば幸甚と活動してきましたが2019年より未だコロナ禍、その制作プロセスが変化してきました。

《シリーズ「水界」より》2019-1〜2021-10

展覧会テーマ:Hydrosphereとは、地球上の水の構成を指す概念「水圏」のことです。「水の守りは万物の生死を分かつ要であり生命の根源」、その水が湧き出る土地には神霊が宿ると信じ、日本では古来より「水」を信仰の対象としてきました。
現在、その「水」と「環境」をめぐっては、さまざまな問題が起こり解決策を見出せずにいます。
日々の生活の中での流れ、渦となり変化する水をめぐるストーリーを具現化しようと試みています。
(現在も制作継続中。最終的に1800×900×40mmのパネル20枚の連作になる予定)

1800×900×40mm×10枚  和紙に水性木版、パネル装 (2021年6月個展 – Hydrosphere – 展示風景)

《空蝉のかたち》2014-1(左衽)

950×610mm
紙衣、和紙に水性木版、コラージュ、モノタイプ

《紙衣》

シリーズ「空蝉のかたち」制作過程
紙衣を着る

《蒼穹渇鴉図-Crow’s eye view of blue sky without water-》

2016年9月 サンタモニカ
18th Street Arts Center インスタレーション

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アートだるま展示アートだるまストリートエリア

Profile

1966 茨城県生まれ
1989 東京藝術大学美術学部油画科卒業
1991 東京藝術大学大学院美術研究科版画専攻修了

https://saitochiaki.com/
Biography

展覧会等

2018
個展:鹿沼市立川上澄生美術館ギャラリー(栃木県・鹿沼市)
2019
木版画の魅力-寺田コレクションより東京オペラシティアートギャラリー(東京都・初台)
画中のよそおい 栃木県立美術館 (栃木県・宇都宮市)
Manual transmissions glassbox gallery UCSB(アメリカ・サンタバーバラ)
2020
個展:殻々工房(栃木県・那須塩原市)
個展:オフィスイイダ企画展(東京・銀座)
2021
個展:ギャラリーインザブルー(栃木県・宇都宮市)
2022
[TANAGOKORO]ロサンゼルス国際交流基金ギャラリー(アメリカ・ロサンゼルス)

受賞歴

2003
Asian Artists Fellowship The 8th Annual Freeman Foundation VSC 受賞
2004
第10回川上澄生美術館木版画大賞展 大賞 鹿沼市立川上澄生美術館(栃木県・鹿沼市)
2009
第22回全国和紙画展 アート部門 大賞 美濃市和紙の里会館(岐阜・美濃市)
2015
第28回全国和紙画展 アート部門銀賞、 和紙画部門銀賞 美濃市和紙の里会館(岐阜・美濃市)

FUKUSHIMA BIENNALE2020

〔 主催 〕
風月の芸術祭実行委員会

〔 共催 〕
白河市/白河市教育委員会/国立大学法人 福島大学 芸術による地域創造研究所

〔 後援 〕
福島県/福島県教育委員会/福島民報社/福島民友新聞社/朝日新聞福島総局/毎日新聞福島支局/読売新聞東京本社福島支局/河北新報社/福島リビング新聞社/NHK福島放送局/福島テレビ/福島中央テレビ/福島放送/テレビユー福島/ラジオ福島/ふくしまFM/白河文化交流館コミネス指定管理者NPO法人カルチャーネットワーク

〔 協賛 〕
白河だるま総本舗 渡辺だるま店/佐川だるま製造所

〔 助成 〕
令和4年度福島県地域創生総合支援事業/助成事業/助成事業

〔 協力 〕
公益財団法人藤田教育振興会/白河ハリストス正教会/NPO法人しらかわ歴史のまちづくりフォーラム/白河商工会議所/白河商工会議所青年部/公益財団法人白河観光物産協会/公益社団法人白河青年会議所/NPO法人カルチャーネットワーク/南湖共栄会/本町町内会/中町町内会/天神町町内会/本町銀座会/白河市中央商店街振興組合/天神町共栄会/一般社団法人未来の準備室/ダルライザープランニング/白河市文化団体連合会/株式会社楽市白河/大堀相馬焼 錨屋窯/SHOZO SHIRAKAWA/LampCafe/NPO法人南湖森林公園案内人の会/ツーリズムガイド白河/福島県県南地方狛犬ネットワーク/有限会社大洋社/ロダンノリンク/福島カラー印刷株式会社/株式会社中村組/有限会社 鈴木石材/有限会社 斉藤鉄工/フラワーショップいくた/白河高校美術部/白河旭高校美術部/白河中央中学校美術部/白河第一小学校/福島大学/京都芸術大学ウルトラファクトリー/東京国立博物館/福島県立博物館/福島県立美術館/東京藝術大学/多摩美術大学/武蔵野美術大学/埼玉大学/明星大学/会津大学短期大学部/郡山女子大学/福島学院大学/雲南大学/前橋文学館/二本松上川崎和紙伝承館/株式会社タンデム/朋友会/アンリの会/メディア・ストリーム株式会社ビデオ/株式会社CIA/株式会社 Doorside/ミチ工芸/エンドースクリーン/ヒグチ運輸/月刊美術/月刊シティ情報ふくしま/P3 art and environment/養清堂画廊/コバヤシ画廊/株式会社風土/ミズマアートギャラリー/西村画廊/KENJIYANOBE Archive Project/I.TOON/DigiCon6 ASIA/大野一雄舞踏研究所/株式会社YY ARTS/ブロンズ新社/ITO ATELIER/Whitestone Gallery/殻々工房/宗像窯/志賀高原ロマン美術館/ナオ ナカムラ/柿崎順一花事務所/プラス環境芸術研究所/鈴木一史/谷川渥/大場美和/水口翔太/佐々木亜希子/古田晃司/嶺 隼樹/和合亮一/野島健太郎/三木学/高橋紀成/今井令雄/赤城修司/樫村俊智/佐藤晃一/山口裕美/川延安直/高久真隆/デザイン・ディレクター 馬場立治

〔 お問い合わせ 〕
風月の芸術祭実行委員会 sirakawa2020art * gmail.com

※「*」を「@」に置き換えて送信ください。

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